満中陰志という言葉。
初めて耳にした人は多いのではないでしょうか?
仏教で用いられる言葉です。
主に、
関西地方の香典返しに使われる言葉で、
掛け紙の表書きに書いてあります。
それでは、満中陰志という言葉の意味は?
・・・・。
分からないですよね!
謎に満ちた言葉
「満中陰志」の意味に迫ります。
3つの言葉が合体している!?
満中陰志の意味をスッキリ理解するには
この言葉を3つに分けるのがポイントです。
この3つの言葉のうち、
一番分かりやすいのが「満」です。
その字の通り、
「満ちる」という意味です。
そして「志」とは、
感謝の気持ちや親近感を、
お金や品物を贈る形であらわすことを言います。
それでは、肝となる言葉、
「中陰」とは一体何のことなのか?
解説していきます。
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中陰とは何?
中陰とは、
人が死んで、あの世へ旅立つまでの
49日間のことを言います。
仏教での考え方です。
(ただし、浄土真宗では
人は死ぬとすぐにあの世へ旅立つという教えです。
そのため、49日間は
故人を想い、慎ましい生活をする期間とされています。)
この世の生を終え、
次に、あの世での生を受けるまでの
修業期間のようなものです。
では、
故人はどんな修業をしているのか?
別に、滝に打たれているわけではありません。
49日の間に、
何度も裁きにかけられるのです!
分かりやすく例えると、
あの世へ行く道の途中に
何か所も関所があるイメージです。
故人はあの世へ向かって
関所のある道を歩き出します。
しかし、
生前に重い罪を犯していると、
その関所で引っかかり、
地獄に落とされてしまいます。
そこで、故人が地獄に落とされないように、
遺族は一生懸命お経を読むのです。
罪の程度にもよりますが、
遺族が読んだお経が関所の審判に届けば、
罪は許され、
故人は関所を通れるようになります。
故人が亡くなって49日の間で、
何度も(7日ごとに)お経を読むのはこのためです。
そして49日後、
修業を終えた故人はあの世での生を授かります。
「中陰」とは
故人があの世へ旅立つまでの修業期間。
その期間が終わった(=満ちた)という意味で
「満中陰」という言葉が使われるのです。
よって、「満中陰志」とは、
故人が無事に修業を終えて、
あの世に旅立ちましたので、ご報告させていただきます。
葬儀の際は、
ご香典にて助けていただき
ありがとうございました。
という意味が込められている言葉なのです!
4つの漢字に、
気持ちが凝縮されているのですね!
そう考えると、
香典返しを贈る方も、受け取る方も
より相手とのつながりを感じられる気がします。
余談ですが、
私の祖父が亡くなったときのことを思い出しました。
もちろん
「中陰」なんて言葉の意味を知らない時でした。
祖父が修業をしているなんてつゆ知らず。
5歳の長男
「お母さん、お坊さん(のお経)長いよー」
(↑飽きてウロチョロしている)
私
「もうちょっとで終わる!
終わったらお菓子食べられるから我慢しろ!」
というやりとりをしていたな~・・・。
じいちゃん、
お経に集中しなくて本当にすみませんでした!!
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まとめ
仏教用語の「満中陰志」
その意味を改めておさらいすると、
故人が無事に修業を終えて、
あの世に旅立ちましたので、ご報告させていただきます。
葬儀の際は、
ご香典にて助けていただき
ありがとうございました。
という気持ちのこもった言葉になります。
この言葉を読み解いていくと、
故人があの世へ向けて旅立つイメージや、
それを応援するかのように
遺族が一生懸命お経を読むイメージが
浮かび上がってきますね。
香典返しの掛け紙で
形式的に使われている言葉ですが、
改めて意味を探っていくと
故人、遺族、周りの人たちの
つながりの輪を感じることができます。
「満中陰志」には
亡くなった人に対する思いと、
生前にお世話になった人への感謝に気持ちの
両方が込められていました。
香典返しについては
こちらの記事もあわせて読むと
役に立ちますよ。
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