自営業者の方などが支払っている国民健康保険の保険料には、「国民健康保険料」と「国民健康保険税」の2種類があることを知っていましたか?
個人的には「料」よりも「税」のほうが、なんだか強制的で負担が大きいように感じます。
何か違いはあるのでしょうか!?
違いを調べることによって、見えてくるものがありました!!
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「料」と「税」の違いを詳しく!
国民健康保険料と国民健康保険税には、次のような違いがあります。
- 適用される法律の違い
- 滞納した場合の時効
- さかのぼって請求できる期間
- 差し押さえの優先順位
それぞれ詳しく説明しましょう!
適用される法律の違い
国民健康保険料は「国民健康保険法」という法律が、国民健康保険税は「地方税法」という法律がそれぞれ適用されます。
国民健康保険を運営しているのは全国の各自治体です。
その自治体は徴収するお金を、「保険料」にするか(国民健康保険法を適用するか)「保険税」にするか(地方税法を適用するか)選ぶことができます。(以下、国民健康保険料のことを「保険料」、国民健康保険税のことを「保険税」と言いますね!)
どうしてわざわざ選べるようにしてあるかというと、法律の違いにより、自治体にメリットがあるからです。
んっ!?なんだか計算高い感じがしてきたぞ!!
詳しくは次へ!!
滞納した場合の時効
もし、国保の保険料(税)の滞納があった場合、保険料(国民健康保険法)では2年が時効ですが、保険税(地方税法)では5年が時効となります。
つまり、保険税のほうが、自治体が滞納分の支払いを請求できる期間が長いということです。
さかのぼって請求できる期間
国民健康保険の届け出をしていなかったなどの理由で、国保の保険料(税)の支払いが滞納になった場合、自治体はその請求を国民健康保険の資格取得日までさかのぼってすることができます。
ちなみに資格取得日とは、例えば・・・
などです。
健康保険に空白の期間はないということですね!
さかのぼって請求できる期間は、保険料(国民健康保険法)では2年分、保険税(地方税法)では3年分と、これまた保険税のほうが請求期間が長いのです!!
差し押さえの優先順位
国保の保険料(税)の滞納が続くと、最終的には差し押さえされます。
ここで問題になるのが、滞納している人が他にもいろいろ滞納があった場合、差し押さえた財産をどれに充てるのか!?ということです。
死んでもこんな状態になりたくない!!!
差し押さえた財産を充てる優先順位は決まっていて、次の通りになります。
1位 国税・地方税(国民健康保険税)
2位 抵当権(土地を担保に銀行からお金を~ってやつです)
3位 国民健康保険料
ご覧のとおり!!
国保の保険料を保険税(地方税法)にすることによって、差し押さえ財産をもっとも優先して充てることができます!!
これらをまとめると、保険料と保険税の違いは、「自治体がおこなう、国保の保険料の集めやすさの違い」ということができますね!
なお、受けられる医療サービスに違いはありません!
万が一、長い期間にわたり国保の保険料(税)を滞納してしまうと、保険「料」より保険「税」のほうが取り立てがキビしい!!ということです。
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「料」と「税」の違いから見えてくるもの
「国民健康保険料よりも、国民健康保険税のほうが、自治体にとっては国保の保険料(税)を集めるのに有利になる」
ということから、なんとなーく、その自治体の懐具合が見えてきますね・・・。
「保険税」のほうが、「なるべく漏れのないように徴収するぞ!!」という考えが見て取れるので、「保険料」としている自治体よりも財政が苦しいのかな・・・とか、納付率が悪いのかな・・・とか推測してしまいます。
ちなみに、私の住むところは、「保険税」が採用されていました。
本当の理由は、それこそ自治体の長に直接聞いてみないと分かりませんが、「保険税」を選択している以上、より多くのお金を確保しておきたい何らかの理由があるということです。
こうやって、たった一文字違うだけで、その言葉の背景が全然違うものになります。
世の中、こういうことがまだまだたくさんありそうですね!
こういう些細な「おや?」を自分のアンテナでどれだけ引っかけられるかで、知識の引き出しの数は違ってくるでしょうね!
まとめ
国民健康保険料と国民健康保険税の違いについて、お分かりいただけましたか?
国民健康保険税のほうが、国民健康保険料よりも、保険料(税)の時効やさかのぼって請求できる期間が長いため、徴収する自治体にとって有利になるということです!
受けられる医療サービスには違いはありません!
個人が負担する金額の多い少ないについては、そもそも自治体によってかける保険料率が違うので、比べようがないですね!
前の章で、私の住んでいる自治体は「保険税」を採用していると言いましたが、その理由がどうしても気になるので、役所に問い合わせをしてみました。笑
まだ返信は返ってきていませんが、返ってきたら追記したいと思います。
<追記>
自治体から返信がありました。
自治体の財源で医療費をまかなうのが、今現在、結構苦しい状態のため保険料の納付率を上げるために、「保険税」の扱いになっているとのことです。
分からなかったり、疑問に思ったりしたことは、情報を自分で取りに行くのが一番スッキリした答えを得られる近道ですね!
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→交通費も含まれる!標準報酬月額とはどのように決まるのか!?
→健康保険の扶養に入れない!?失業給付金と収入の関係を理解する!
ささえみさん 物知りですね。
いろいろと勉強させていただいております
私は電気、水道の工事をしていますので、
知りたいことがあれば、できる範囲で返答いたします。
サーターアンダギーさん
電気、水道関係のお仕事ですか!
これから電力自由化でお忙しくなるのではないですか?
頑張ってくださいね!